近畿・東海を中心に戸建て住宅の設計・施工をメインに
集合住宅の建設やリフォーム事業など
幅広く活動されている株式会社アナタカラ建設様のモデルハウス建設プロジェクト。
2019年10月から「タカラ建設」から「アナタカラ建設」へと社名変更されて
記念すべき1棟目のモデルハウスとなります。
最新の技術を詰め込んだ木造免震戸建て住宅の亀山モデルハウスに
コントロールシステム「TRee」を導入いただきました。
導入に至った経緯や導入後の感想について
代表取締役 田中様と専務取締役 中村様にお話をお聞きしました。
田中様: 私たち工務店やビルダーでは、バブル期よりも建設戸数が減り市場は縮小していますが、職人の数も減っている状況です。現場サイドの作業はバブルの時と同じぐらいの忙しさがあります。また一方で、インターネットが普及して、エンドユーザーの方が情報を簡単に取得できる時代になり、モノをカタチにする技術サイドが追い付いていないと感じる部分がありました。
そういった状況で、当社では、他社との差別化を図るために住宅をハードとソフトに分けて、ハードでは木造免震技術を取り入れ、ソフトではIoT技術を導入し、省エネや快適性を推進した付加価値の高いモデルハウスをつくっていくことを考えました。
中村様: ソフト面においては、省エネだけではなく、お客様にとって快適性などの付加価値創出を実現したい、という思いから慎重に検討しました。いろいろな人に話を聞いたり、デモ機の見学など、多くの情報を入手し検討した結果、HEMSコントローラーはお客様の要望に幅広く応えたいという当社の方向性に合った、ホワイトリストへの掲載メーカー数が多く充実しているNTT西日本様の光BOX+(EMS版)を採用することにしました。コイズミ照明のTReeは光BOX+(EMS版)に対応し、接続できる照明器具の数も多いので採用を決めました。
スマートアダプタを設置すればカタログに掲載している照明器具がほぼ対応するということには驚きました。スマートアダプタとコントローラだけ対応しているものを使用すれば、その他は通常の照明が自由に選べるので、特別な追加コストがあまりかからずに導入がしやすいと思いました。
中村様: 亀山モデルハウスでは構造では木造免震技術を取り入れ、設備ではHEMSを導入し、スマートホーム化したものとなっています。HEMSコントローラーはNTT西日本様の光BOX+(EMS版)で、接続している機器は、照明の他に、テレビ、エアコン、給湯器、玄関ドア、電動シャッター、IHクッキングヒーター、分電盤です。テレビの画面で各機器の操作や状態の確認ができます。Amazonのスマートスピーカーにもつなげて音声による操作も可能になっています。また、分電盤で電気の消費量がわかったり、スマホで外出先から機器がONになっているかどうか確認ができます。このモデルハウスでお客様により多くの体験をしていただこう、という考えでさまざまな設備を導入しました。
中村様: 導入後、特に便利だと感じるのは、スマートスピーカーで一括操作のおやすみ/おはようモードを呼び出すことですね。「おやすみ」と言うと照明は設定した明るさまで照度が落ちたり消えたりし、光BOX+(EMS版)と連動して玄関ドアは閉まります。「おはよう」と言うと照明が昼白色で点灯し、同じく電動シャッターが開いていきます。スケジュール機能で時間を設定して動かすこともでき、行動に合わせた機器の動作によって生活に溶け込みます。
中村様:照明のプラン作りは、自由な発想で考えていただきたかったので、まずコイズミ照明さんから提案を出していただきました。住まう人の視点に立った具体的な提案をしていただいてよかったです。しっかりとした提案のベースがあったのでそれに対して、「実は弊社の設計の方からはこういう意見が出ている」など、意見を交わしてスムーズに詳細設計へと進めていくことができました。
竹田:TReeを導入してIoT化していくというのは前提条件として決まっていました。そこで、TReeの機能を活かして日々の暮らしが心地よく快適に過ごせるよう、住まう人に寄り添うあかりのシーンを提案することが、希望に叶うプランになるのではないかと考えました。
住宅のあかりは、いつも同じ場所に同じあかりではなく、さまざまな生活行為やその日の気分、時間によって求められるあかりは異なります。今回のモデルハウスでも、一日の太陽の光の移り変わりに合わせて部屋の光を変化させたり、食事やだんらんなど生活行為に合わせた照明シーンを作るなどして体験していただけるようにしています。
魚田:今回のこちらのモデルハウスではTReeだけではなく、HEMSコントローラーの光BOX+(EMS版)やスマートスピーカーと組み合わせての導入でした。今までの壁スイッチ操作だけでなく、手持ちのスマートフォンやタブレットはもちろんのこと、テレビ画面で操作したり、音声でも照明を含めた家の設備をコントロールすることが可能です。さまざまな生活シーンの中で、どのようなあかりを再現すれば快適で便利な暮らしが実現できるのか整理した上で、お客様がご自身の暮らしにあった使い方を選べるようにご提案をしました。
HEMSやIoTという言葉でむずかしい印象を持たれる方も多いですが、モデルハウスで体験していただいたお客様には、「あっ!こんなこともできるんだ!」という発見をぜひ楽しんでいただければと思います。
田中様:改めて照明でガラッと空間の雰囲気を変えることができ、快適性の高い良い空間になるという照明の重要性について気付かされました。働き方改革などの流れで今後家で過ごす時間が長くなる人が増えてくると思います。家からWeb会議で職場とつないだり、テレワークに関する技術も進み、取り入れる人も増えてくると考えます。住宅や照明もこだわっていく人が増えていくのではないかと思います。
中村様:HEMSやIoTはインターネットで知識のある人、知っている人はたくさんいると思いますが、実際に体験したことのある人は少ないと思います。こちらのモデルハウスで実際に体験していただいて、お客様から声を聞き、お客様がもっと家にいたくなるような、今後の家づくりに反映させていきたいと思います。