C様邸

  • 所在地 : 兵庫県宝塚市
  • 設計・施工 : 大和ハウス工業株式会社

ホテルライクでスタイリッシュな
暮らしを叶えるあかり

高台の閑静な住宅地に位置し、公園にも程近く豊かな自然を感じられるC様邸。
コントロールシステム「TRee」導入後のご感想について
設計やインテリアのコーディネートをされた関係者の方々を交えて、
御施主様にお話をお伺いしました。

家を建てられた経緯や
ご要望について教えてください。

御施主様:きっかけはコロナ禍での自粛生活です。以前はマンションの高層階に住んでいたのですが、窓を開けると突風で家の中がぐちゃぐちゃになってしまうので開けることができませんでした。
約1年続いた自粛生活で、家にいると箱の中にいるような感じで少ししんどくなってきました。これが一番の理由となり、一軒家で暮らして、庭があって外の空気が吸えて光に当たって自然を感じられる生活がしたいねということを家族で話し、家を建てることにしました。

要望については、最初は一軒家を建てるということで夢などあったのですが、設計の吉川さんにお会いしたら全部お任せしてみようという気持ちになって、特に主人もプロに任せた方がいいんじゃないかという考えで、お任せすることにしました。子供も大学生になったので主人と次のステップの生活を始めるためのくつろげる落ち着いた空間、それでいて人が集まりやすい空間というのを希望としてお伝えしました。

ご要望に対してどのような
ご提案をしましたか?
また建物の概要について
お聞かせください。

U様 奥様
大和ハウス工業株式会社
奈良支社 住宅事業部 設計課
吉川 慶 様

吉川様:驚いたのが、前に住まわれていたマンションは最上階で天井高が3mあるとお聞きしたことです。マンションの最上階で息苦しいと感じられる理由についてとても考えました。人の視線が合わないというマンションの良さは取り入れたいと思い、2階リビングの提案を考えました。
 また、現地を確認した時に、視界が開けているような、抜けているような箇所がありました。人って少し抜けているところがある方が気持ちいいねとなるんです。板塀があってのぞき穴があったら覗きたくなるのと同じ現象で、毎日海や富士山など良い景色を見ていると飽きてしまうことがありますが、抜けている空間があると心躍らされるものがあるので、この抜けと2階リビングとを組み合わせたら、情緒的で気持ちいい空間ができると考えました。
 そして普通は日当たりの良い南側にリビングと開口部を持ってくることが多いですが、下を通りがかった人からすぐ見えてしまうので、少し中に入れることにしました。中に入れると暗くなるので上部吹き抜けを設けて1階まで光が通るようにしました。このように視線や光について最初から考えながら設計しました。

インテリアや照明に対して
どのようなご要望をされましたか?

御施主様:インテリアはモダンに興味があるということを伝えたのですが、細かな要望は伝えていませんでした。こんなテーブルがいいかなと思っていた写真を保存していたのですが、まさに一緒のものを提案いただいてイメージが合っていたので信頼してお任せできました。

どのような照明コンセプトに
されましたか?
特徴などお聞かせください。

吉川様:照明って必要不可欠なものですが、必要だけれども建築空間の中でデザインを阻害することもあるので、それをどうやって共存させようかと考えました。最低限明るさが取れるような状態の照明計画をすると暗いと怒られることもあるのですが、ぎりぎりのところを攻めることによって美を感じさせるのではないかという考えもあって、どうしても暗すぎたらフロアライトなどで後から足すことのできる計画とし、攻めさせていただきました。

 あとはバルコニーや中庭を作るときに、内部と外部を呼応させる、阿吽の呼吸にさせて同じ空間にしたいと考えました。そのためには部屋だけが明るいと窓ガラスにあかりが反射して外の景色は見えにくくなってしまいます。室内にも影を作らないと外の景色とも繋がらなくなります。そういったことを考えて、外の明るさと中の暗さという調整をさせていただき、内外部の呼応する建築としました。外を明るくすることで中が暗くても居心地が良いという考え方です。


室内と一体感のあるバルコニー

石黒 國子 様

國デザイン設計
一級建築士/インテリアデザイナー
石黒 國子 様

石黒様:私も同じ考え方で、今の日本住宅は均一に明るくすることから脱却できないところがあります。あかりを大事にする北欧では、やはり家の中の明るさを少し落としているんですね。周りが暗くなってきたときにあかりがついて、そのあかりのありがたさや温かさなどすごく照明に対して思い入れがある文化で、それを再現したいなと思いました。家の中の明るさを絞ることによって外の明るさを引き出せるのはもちろんですが、周りが暗くなってきたときにあかりがすごく生きてくる空間をうまく演出できたのではと思います。

ご提案したインテリアについて
教えてください。

石黒様:インテリアのカラーについても、照明のコンセプトと同様に、できるだけ外にも目がいくように色のトーンを抑えました。また、今後お住まいで暮らされていく中で、年月をかけて小物であったり雑貨であったりアートなど少しずつ揃えていかれると思うのですが、それらがアクセントになって映えるようにと考え、全体をグレイッシュトーンで抑えたご提案としています。エントランス正面の中庭やホールのヒルハウスチェア、御施主様のご要望にあったリビングのエタノール暖炉など訪れる方々のアイキャッチになること間違いなしです。

苦労した点について
教えてください。

石黒様:ダイニングですが、通常だとテーブルの上にペンダントを合わせることが多いと思うのですが、長手方向の空間を遮ってしまうのが嫌だったのでペンダントにはせず、あえてスパッと抜ける空間にしました。ペンダントにしない場合は代わりにダウンライトにすることが多いと思いますが、ちょうど天井のルーバーの境目だったこと、そしてダイニングテーブルは少し動かすこともあるのでどのようにすればよいか悩みました。角度調整もできるけれど存在感を示さない、そして明るさがとれる「arkia(アーキア)」というコイズミさんのスポットライトがあり、天井のルーバーの意匠を損なわず、ルーバーの間に器具を収めることもできて、希望した空間が実現できました。また同様にルーバーの意匠を損なわないようリビングとキッチンにグレアレスダウンライトを採用しています。

TRee導入の理由について教えてください。

吉川様:映画やテレビなど見てくつろいでいるときにはコントロールパネルやリモコンがあったとしても照明をつけたり消したりするのは、少しの距離でさえ面倒に感じると思います。ですがスマートフォンは手元にあることが多いと思います。そしてスマートフォンで全部コントロールできるというのはとても便利ですよね。パッと切り替えもできますし細かな調光もできますし、非常にいいと思い導入しました。

実際に住まわれてからの
使い心地はいかがでしょうか?

御施主様:旅行が好きで今コロナ禍で行けていませんが家を空けることが多いので、防犯に役立つのが良かったです。スマートフォンで夕方つけて夜中に消したりというようなスケジュール管理ができるのが嬉しかったです。もう一つ、先ほど吉川さんもおっしゃっていましたが手元で操作できるのがとても便利だと感じています。また単に照明をつける消すだけでなく明るさも調整できる点がとても有難いです。大学生の息子もリビングの光の具合がなんか落ち着けると言ってソファーで勉強やパソコンなどしています。

 あと、私はもともと少し不眠症だったのですがTReeと関係あるのかわかりませんがこの家に来て睡眠導入と言いますか、寝つきが良くなり、良く眠れるようになりました。照明の明るさが調整できるので、夕方から夜にかけて段階を踏んで、食事の時、テレビを見てリラックスする時、お風呂上がりの時など寝る前に照明の明るさを徐々に落としていっているのでその影響かなと思っています。

河本 郁美

コイズミ照明株式会社
西日本営業本部 近畿住宅営業部
近畿住宅開発室
河本 郁美

河本:明るい環境にいると体がお昼と勘違いして、夜寝付きが悪かったり逆に朝起きる時もすっきり起きられないといった影響が出てしまうのですが、確かに家の中の照明の明るさを段々と下げていただくことで、自然に体内に睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンが分泌されて睡眠が改善されると言われています。

また、TReeで照明を少しずつ明るくする機能もありますので、起きたい時間の30分前から照明を徐々に明るくして光で目覚めることができます。その方法もまた体内時計のバランスを整えると言われています。

今回のC様邸の計画を通して、
照明について今度の取り組みや
考えなどございましたら
お聞かせください。

山田 愛子 様

大和ハウス工業株式会社
奈良支社 住宅事業部 設計課
山田 愛子 様

山田様:今回C様邸の建築計画に関わることにより、照明への考えが広がりました。家とは建築物だけではなく、敷地の中にあるものや外に見える景色まで含めて家なのだと感じました。それは照明も同じで、C様邸もリビングから眺めるバルコニーが明るく照らされることで、室内にも取り込まれて繋がりを感じる空間になっています。
 今後は敷地全体を活かした計画に取り組んでいこうと思っています。またそれらすべてのコントロールを一括制御し、スマートフォンなどで簡単に操作できるご提案も入れていきます。

大和ハウス様のご意見に対して、
どのような照明メーカーで
ありたいと思いますか?

河本:皆様からたくさんご意見をいただいた中で、特に吉川様のお話で、家の中からバルコニーまでではなく、その先の景色まで考えて計画されるということをお聞きして、私は家の中の照明にこだわりがちになったり、家の中をベースに考えてしまっていたのでハッとさせられました。
 また、建築の美しさをできるだけ保ちつつ、住まわれるお客様の使い勝手や、いろいろな場面に合わせて使いやすく必要な光をとることができるように、上手く2つのことを両立させて、器具でのご協力と、さらに器具の組み合わせや使い方のご提案とができるような照明メーカーでありたいと思います。

[ LDK ]

細かな明るさの変化やコントロールが住まう人のライフスタイルを豊かに彩る
上質な空間を実現します。

[ 主な使用器具 ]